体内のエネルギー不足(飢餓状態)を救うのは糖、脂質、タンパク質(アミノ酸)だ!
おはこんばんちわー、ハイサイのーリー(@muscle_pharmac)です。
今日は、飽食に続き「飢餓状態」に関して紹介したいと思います。
今回は食糧危機やそのような話題ではなく、「体内でのエネルギー不足時の反応」
を紹介します。
「飽食の時代だ!」
「食べたら太るのはしょうがない!」
「グリコーゲンとトリアシルグリセロールが蓄積されるエネルギー!」
と昨日紹介しました。
今日は、グリコーゲンとトリアシルグリセロールの2つのエネルギー源が
どのように利用されるかを紹介します。
【グリコーゲン】
グリコーゲンは、やはりグルコースに分解されてエネルギーに変換されます。
そのトリガーが、血糖値の低下です。
血糖値が下がることで、膵臓からグルカゴンが分泌されます。
グルカゴンは、「糖が足りないぞー!増やせー!」という指示を出します。
すると、細胞内のシグナルにより、グリコーゲンホスホリラーゼが活性化されます。
結果、グリコーゲンは加リン酸分解を受けて、グルコース1-リン酸を生じます。
その後、グルコムターゼにより、グルコース6-リン酸に変換されます。
ここからがポイントです!
このグルコース6-リン酸は、肝臓と筋肉内で代謝が異なります。
肝臓内では、ホスホグルコムターゼによりグルコースに変換されます。
そして、血中に送られて血中濃度を上昇します。
一方、筋肉内ではホスホグルコムターゼがないため、グルコース6-リン酸のままエネルギー化されます。
つまり、肝臓のグリコーゲンは血糖値をあげ、全身でエネルギーを作るのを助けますが、
筋肉内のグリコーゲンは、筋肉中でしかエネルギー化できないのです。
実際、筋肉を動かすエネルギーがなくなってしまうのは困るため、外に流出させないためと考えれば納得の仕組みですよね!
【トリアシルグリセロール】
トリアシルグリセロールは、脂肪酸が3つ結合している物質です。
飢餓状態になると、トリアシルグリセロールから脂肪酸が取れます。
その後、肝臓にてβ酸化を生じて、アセチルCoAを生じます。
アセチルCoAは炭素2個(C2)を含み、1つのオレイン酸(C18)からはβ酸化によって9個のアセチルCoAができます。
過剰なアセチルCoAからは、アセトアセチルCoAとなり、ケトン体を生成します。
ケトン体は、アセト酢酸・βヒドロキシ酪酸・アセトンの3つができます。
アセトンはエネルギーとして、使用されません。
しかし、残る2つは肝臓外に運搬されてエネルギーとしてエネルギー変換されます。
その中には、脳への運搬も含まれます。
ケトン体は、果実が腐った匂いと表現されることがあり、口臭や体臭の現認ともされています。
最後に、これらの反応の手助けとしてアミノ酸も活用されます。
その中で、ケトン体の生成にしか関わらないのが、ロイシンとリジンです。
これらをケト原性アミノ酸と言います。
それ以外は、グルコースの産生に関与します。
エネルギーとしての糖や脂質。
エネルギー化を手助けする、タンパク質の元のアミノ酸。
全てが体内でバランスを保つことで「飢餓」という危険な状態から、
生命維持をすることができます。
生体って面白いなって、すごいなって少しでも思ってくれたらうれしいです。
それでは、また明日!
ばいばい!