高薬価は悪なのか?1億6700億円の新薬について考えてみた。
おはこんばんちわー、ハイサイのーリー(@muscle_pharmac)です。
皆さん、「ゾルゲンスマ」はご存じですか?
多分知らない方がほとんどだと思います。
このゾルゲンスマは、日本一薬価が高い薬になる予定です!
どれくらい高いのか。
1億6700万円です!!!!
投与は1回のみですが。
適応疾患は、脊髄性筋萎縮症(SMA)です。
SMAは6ヶ月までに発症する難病で、10人に9人は2歳になれずに亡くなってしまうか、生涯にわたり人工呼吸器が必要になるそうです。
詳しくは、製造開発元のノバルティスファーマ社のプレスリリースをご覧ください。
https://www.novartis.co.jp/news/media-releases/prkk20200319-2
今回は、この高薬価について考えてみたいと思います。
批判的に見れば
「高すぎる!」
「国民のお金が使われてるんだぞ!」
「製薬会社は、儲けることしか考えてない!」
肯定的に見れば
「難病だし、仕方ない。」
「この額で子供の命が救えるなら良い!」
皆さんはどちらですかね?
僕は比較的、この薬価は肯定的です。
高いですけどね(笑)
理由は、患者さんが救えるからです。
さらに、この薬剤は子供の未来を切り開ける画期的なものだからです。
3つのポイントで深掘りしていきます。
1.アメリカとの価格比較
1億6700万円は高いのかですが、
数字だけ見たら高いですね笑
ただ、アメリカでは2億3000万円で使われています。
一方、日本の市場で6300万円値引きされてます。
すごい値引き額じゃないですか?
当然、保険の仕組みが違ったりしますが、単純に比較して結構安くされていると思います。
2.製薬企業としての意義
製薬会社は、営利企業です。
薬を開発して、売ることで得た利益を次の開発に回します。
利益を得ながら患者さんを救う企業です。
じゃぁ、ゾルゲンスマで得られる年間売上はどんなものか。
年間の患者さんは15-20名ほどです。
仮に20名使われたとして、約33億円です。
正直、企業の売上的には安いと思います。
それでも開発するのは、この薬がないと亡くなってしまう方が一定数いるからです。
儲けよりも、製薬企業としての理念や社会貢献の意味が強いと思います。
薬1つ開発するのに200ー300億円、高いものでは1000億円かかると言われています。
回収するのに早くて6年。
もっと遅いかもしれません。
それを超えてやっと利益が出ます。
3.患者さんの状況
今回の薬は使わないと助かりません。
その他にも、ガンや重症な感染症などは適切な人に適切に薬を使うべきです。
当然これらの薬は高いわけですが、仕方ないと思います。
一方、生活習慣病はどうでしょうか。
糖尿病や高血圧、脂質異常症です。
当然、薬を必要としてる人はいます。
しかし、運動もしない、食事も改めない。
だから、薬に頼って数値を正常にする。
更に、面倒で飲まないときもあるけど、そのことは隠して薬だけは貰いにくる。
これでは、医療費が嵩むばかりです
その結果、生活習慣病領域は、1つの薬で毎年、数百億を稼いでいます。
1錠100円程度でもチリも積もればです。
多くの薬がこの領域にあるため、会社としても稼げているはずです。
会社としては、売り上げが頭打ちの領域より、稼げる領域だけで勝負した方が当然良いです。
製薬企業が、そればっかりでは難病の治療薬を開発しません。
薬ができれば助かったかもしれない命は助からず、
不摂生な人の検査値を正常にする為に作られた薬に国民のお金が使われていきます。
実際には、製薬会社は難病・希少疾患の治療薬は開発しています。
患者さんも努力できる点は努力していかなければなと思います。
いかがですか?
薬価の高さだけに注目するのではいけません。
開発する会社、助かる命に目をやるべきだと僕は思います。
内容に少し感情的な部分はありますが、
ゾルゲンスマによって沢山の子供が救われると良いなと切に思います。
それでは、また明日!
バイバイ!