筋トレ薬剤師の薦め

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【超簡単】睡眠のメカニズムを知って、人生を豊かに!!

おはこんばんちわー、ハイサイのーりー(@muscle_pharmac)です。

 

昨日は、質の良い睡眠について紹介しました。

 

今日のテーマは「睡眠のメカニズム」です。

質を上げるためにとる行動が、どのように体の中、特に脳内で影響を与えていくのかを解説していきます。

 

人生の3分の1は睡眠です。

睡眠の仕組みを知ることは、非常に重要だと思います。
 

 

睡眠の本質

睡眠とは、脳内の抑制です。

そして、睡眠と覚醒は電気のスイッチのようにON・OFFのどちらかしか存在しません。

切り替わるときは「カチッと」切り替わります。

 

覚醒か睡眠か、どちらに傾くかは脳内に分泌される物質によって大きく影響を受けます。

 

この脳内に出される物質を制御するのが、「神経シグナル」です。

睡眠に関与する神経シグナルは、「上行性脳幹網様体賦活系」と言われます。

上行性脳幹網様体賦活系は、末梢からシグナルを脳幹網様体を経て視床に投影します。

 

上行性脳幹網様体賦活系の活性→脳が活性(覚醒)

上行性脳幹網様体賦活系の抑制→脳が抑制(睡眠)

 

このようにシグナルの伝達により脳の状態が決定されます。

 

脳波

次に、脳波です。

覚醒時、細かく小さい波(低振幅速波)β波

睡眠時、少なく大きい波(高振幅徐波)δ波

 

簡単に図示しますが、覚醒時はギザギザが多く、起きてるなって感じですよね!

 

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覚醒、睡眠には各々2つのフェーズがあるので興味がある方は調べてみてください。

今回のβ波は緊張状態の活動時、δ波は深い睡眠時の脳波を示しています。

 

REM睡眠とnon-REM睡眠

REM睡眠

REM睡眠は、rapid eye movement sleepの略です。

速い速度で眼が動き夢を見るフェーズです。

浅い眠りと言われている状態です。

 

この段階で、記憶の整理が行われてると考えられています。

しかし、筋緊張はないため体は動きません。

 

金縛りに合うのは、リアルな夢と筋緊張がない事で「体が動けないのに意識はある(気がする)状態」になるそうです。

 

Non-REM睡眠

眼球運動はないですが、筋緊張はあり、寝返りを打つこともできます。

Non-REM睡眠は、いわゆる深い眠りを指します。

睡眠の7080%を占めています。

 

睡眠サイクル

REMnon-REMREM→・・・と繰り返されます。

約90分で1サイクルと言われています。

そして、最も深い眠りは最初のサイクルが1番長いです。

 

【睡眠POINT

★起きるなら、REM睡眠の時に!(負担が少ない)

 ☆目覚ましが大きいと深い眠りから急に覚醒になってしまう!

★アラームをかけるなら、起きたい時間の少し前から小さい音で15~30分おきに。

 ☆小さい音なら、深い眠りの時には気が付かない。

 ☆浅い眠りに移行した時に起きられる。

 

脳内伝達物質

神経シグナルによって制御されている物質です。

上行性脳幹網様体賦活系が抑制(睡眠時)には、GABAメラトニンが優位になり、

活性(覚醒時)には、セロトニンオレキシンが優位になるように制御されています。

 

脳内伝達物質【抑制系】

GABA(γ-アミノ酪酸

GABAは、「THE 抑制系!」と考えてもいい物質です。

睡眠以外にも、精神の鎮静や筋肉の弛緩にも役立っています。

 

GABAの作用は、GABA受容体に結合することで、細胞の中にCl-流入し脳が沈静されます。

この作用を利用したのが「睡眠薬」です。

GABA受容体に、薬が結合することで、脳を沈静化に導きます。

作用が急激なこともあり、「PCの強制終了」に例えられることがあります。

 

GABA系の薬には注意が必要です。

依存、認知機能の低下、耐性化などが問題視されています。

安価で長年使われている薬ですが、依存を危惧して海外ではほとんど使われていません。

飲み始める際は、医師や薬剤師としっかり相談の上、飲むようにしましょう!

 

メラトニン

メラトニンは、視床下部の視交叉上核からシグナルを受けて松果体から分泌されます。

睡眠時に多く産生され、覚醒時には微量にしか分泌されません。

役割は多くありますが、メインは2つです。

 

1、体内時計を整える

前回の記事でも紹介しましたが、人間の体内時計は25時間です。

1時間のずれを調整するためにメラトニンが役に立ちます。

 

夜勤などで昼夜逆転することが多い方はメラトニンの分泌が乱れている可能性があります。

メラトニン系の薬剤は、このような昼夜逆転の生活をするような人に適しています。

 

2、体温(深部体温)を下げる

これも紹介しましたね!

眠る前には、深部温度を下げるのが大切です。

その役割も担っています。

なので、眠る準備をしっかりとれば、メラトニンが分泌されます。

メラトニンがしっかり分泌されていれば、眠くなりやすいです。

 

脳内伝達物質【覚醒系】

セロトニン

セロトニンは、アミノ酸トリプトファンから合成される物質です。

よく「幸せホルモン」と呼ばれています。

 

トリプトファンは、タンパク質に含まれています。

特に、ソイプロテインの大豆食品に多く含まれています。

 

太陽の光を浴びることで分泌量が増えると報告があります。

なので、朝日を浴びる重要性が言われています。

 

朝や日中にはセロトニンが、夜にはメラトニンが分泌されている状態が正常と言えます。

この2つは、シーソーのようにどちらかが高いともう片方が低くなります。

 

【睡眠POINT

★朝日を浴びて覚醒にシフト!

 

オレキシン

オレキシン視床下部で産生される神経ペプチドです。

オレキシンが一定量以上分泌されると、覚醒します。

GABAと比較するとオレキシンが関与する脳神経は100-1000分の1の量だと言われています。

作用する部分は限局しているのに、機能は重要な物質です。

 

覚醒以外の役割は摂食行動の制御です。

 

このオレキシンは2000年に日本人の研究者が発見しました。

オレキシンの作用を利用して、薬も開発されています。

オレキシン系の薬は比較的新しく、依存性は少ないと言われています。

 

価格は高めですが、依存がないため止めやすいのが特徴の一つです!

 

以上です。

 

簡単ですが睡眠のメカニズムを紹介しました!

また、睡眠POINT薬の話も織り交ぜて話していきました。

 

ぜひ今日を境に睡眠に興味を持っていただけると嬉しいです!

カニズムを知ってより睡眠の質を改善してみてください。

それでも難しい方は自分に合った薬を飲むことも考えましょう!

 

それでは、また明日!

バイバイ!