これで褐色は怖くない!リンゴやレタスの変色の理由は酵素だ!【後編】
おはこんばんちわー、ハイサイのーリー(@muscle_pharmac)です。
皆さん、料理は捗ってますか?
早速、メイラード反応させてますか?(笑)
もしよければ、昨日の記事も見てください!
muscle-pharmacist.hatenablog.com
さて、今日なんですが、「酵素的褐色反応」です。
昨日は、酵素を使わない反応でしたが、今日は酵素を利用した反応です。
酵素の簡単なイメージですが、「仲介役、助っ人」だと思ってください。
たとえ話ですが、
山登りをするとき地図もなく進む状況が、酵素がない状況です。
地図もなかったら、上るのにかなりの労力が必要ですよね。
ですが、助っ人の酵素があると「こっちに初心者コースがあるよ!」とか「あっちにリフトがあるよ!」みたいに上るのをラクにしてくれます。
ま、イメージなので雰囲気分かればいいですよ!
「酵素的褐色反応」は身近にあります。
「リンゴジュースや切りたてのリンゴを置いておくと茶色くなる」
「カットレタスを数日置いておくと変色する。」
このような、反応を指します。
これだけだと、「悪い反応じゃないか!!」と感じると思います。
好ましくないことが多いのは確かですが、
「ウーロン茶や紅茶の褐色」はこの反応を使って作っています!
さー、興味が出てきましたか?
それでは始めていきましょう。
<酵素的褐色反応>
【反応式】
まずは、反応式を紹介します。
ベンゼンと呼ばれる六角形に2つの"OH"がついている構造を「ポリフェノール類」と呼びます。
そして、矢印上の"PPO"が酵素の「ポリフェノールオキシダーゼ」です。
酵素の特徴は反応の手助けはしますが、反応前後に影響を与えないのが特徴です。
(山登りを手伝いますが、上るのは「本人」です。山登りの人数は変わらないって感じです。)
さあ、こんな感じで反応が進みます。
この反応は、PPOやポリフェノールを多く含む「野菜や果実」に起こりやすいです。
【酵素と基質】
続いて、酵素と基質を紹介します。
まず酵素のPPOの基本の形を紹介します。
下の絵のように、O(酸素)とCu(銅)を含む構造をしています。
そして、酵素は結構デリケートな物質で、
「pH」「温度」「形が変わる」などで効果を発現しなくなってしまいます。
次に、基質です。
基質は、先ほどの主にポリフェノール類です。
PPOが作用する物質ですが、「カテキン類」「クロロゲン酸」「チロシン」などです。
聞いたことのある物質もありますかね?
「カテキン類」;茶葉に含まれる。
「クロロゲン酸」;レタス、リンゴに含まれる。
こんな感じです。
「リンゴは褐色になるけど、梨って色変わりにくくない?」
そうなんです。梨にはPPOはたくさんありますが、「クロロゲン酸」が少ないので、
褐色反応が進みにくいんです!
理屈が分かると面白いですね!
【褐色防止】
最後に、褐色の抑え方です。
料理をされる方は、ここが重要ですよね!
茶色くなったリンゴやレタスといった食材が売られててもおいしくなさそうですよね?
なので基本的には、あまり好ましくない反応です。
だから、しっかり防ぎたい!!
皆さん、
「リンゴの皮むいたら、塩水につける。」
「アボカドには、レモン汁を絞る。」
こうやって、褐色になるの防いだことありませんか?
この作業には、もちろん理由があります!
それをこれから紹介します!
まずは、リンゴを浸ける「塩水」。
つまり、塩(NaCl)です。
NaClは水中で、NaとClに分かれます。
この「Cl」が酵素中のCuとキレートという強い結合します。
なので、酵素の形が変わってしまって褐色しにくくなります。
次に、アボカドにレモン汁(アスコルビン酸〈ビタミンC〉、クエン酸)です。
これは、先ほどと同様に、クエン酸はCuとキレートを作ります。
アスコルビン酸は、PPOを還元し、形を変えます。
他にも、熱を加えてあげることでも変色をふさぐことができます!
これは、茶葉を作るときに「蒸す」作業をして加熱してPPOを働かなくしています!
まだまだ、探せば身近な「酵素褐色反応」や「その防ぎ方」を見つけられると思います!
もし、こんなのあるよ!などあればコメントください!
それでは、今日はここまで!
バイバイ!